絵本は子どもが最初に出会う芸術体験です。
言葉の宝庫でもあります。

良い絵本とは・・・
  • 絵本は子どもに読んであげるもの
  • 子どもが「おはなし」を聞きながら、ものがたりの世界に入り込めるよう絵と文がうまくとけ合っているもの。
  • 子どものお気に入りの絵本は繰り返し読んであげましょう
  • 幼児期に心を込めて絵本を読んでもらった体験は、親と子の心の絆を深め、生きる力となるでしょう
さらに詳しく...
子どもは“ことば”を獲得する能力を持っています。でも、“ことば”を耳から聞かなければ話すことはできません。子どもに“ことば”を教えるのは、家庭です。赤ちゃんが生まれた瞬間から、親は無意識に話しかけます。そのことばを聞いて、赤ちゃんは人間としてのことばを習得していくのです。

そして、同時に、人間の豊かな喜怒哀楽の“感情”や“心”を体得して、人間らしい心を育てていくのです。だから、心のこもった豊かなことばで、話しかけることが必要となってきます。でも、そんなむずかしいことは、とても無理と思うかもしれませんが、身近なところに豊かな想像力を育ててくれることばが一杯詰まった世界があります。
それが、絵本です。
絵本の中には、詩人や作家や科学者が、選び抜き、工夫を重ね、考え抜き、心をこめたことばで書かれた詩や物語や知識の世界が詰まっています。しかも一冊一冊、作者もテーマも違っているわけですから、それこそ様々なことばの世界が語られています。絵本には、すばらしい絵とことばがあります。大人が、生の声で絵本を読んであげることは、聞き手の子どもに豊かなことばのシャワーを浴びせかけることです。

絵本を通して、親子で、ものがたりの喜びを分かち合うことで、親と子は、成長してもどこかに通い合える目に見えない絆でつながり、このような幼児期の体験が生きる力となり、保育や学校教育を受けるときの基盤となります。だから、よい絵本を読んであげてください。

子どもは本来、“本”が好きです。
でも、幼児期から、本の楽しさを体験していなければ、本好きになりません。
絵本を、字を教える・しつけなどのテキストにすると、楽しみよりも、苦しみの体験が強くなり、子どもは、絵本好きにも、読書好きにもなりません。
それよりも、子どもの周りの信頼のおける大人が、本を、繰り返し、生の声で読んであげることです。読んでもらうことが、子どもにはうれしいのです。その絵本が、自分のお気に入りの本なら、なおさら、楽しいです。この喜びの体験が、心豊かな子どもへと育っていき、本への興味にもつながっていきます。
絵本は“読むもの”ではなく、“読んでもらうもの”です。それは、耳でおはなしを聞きながら、目で絵を見て、楽しむものです。

子どもの成長が、1人ひとり違うように、子どもに本を手渡す時期も一人ひとり違います。どうぞ、ほかの子どもと比べないで、自分のお子さんの絵本体験に合わせて、本を選んでください。